2026年3月31日に「新事業進出補助金 第2回」の採択者が発表されました。
応募件数 2,350、採択件数 832となっており、採択率は35.4%でした。

本補助金の申請をご検討されている方は、この採択傾向を参考に事業計画書を作成していただくと採択に近づくと思います。

採択傾向の分析

業種別の大まかな内訳

採択案件を事業内容で分類すると、大きく以下の区分に分かれます。

① 宿泊・観光・体験(約30〜35%)
最も多い分野です。「古民家再生+宿泊」「一棟貸しヴィラ」「インバウンド対応高付加価値宿泊」「グランピング」「体験型ツーリズム」が目立ちます。

単なる宿泊施設の新設ではなく、既存事業の強みや地域資源との組み合わせが重視されています。

② 製造業の新分野進出(約20〜25%)
精密加工技術を持つ中小製造業が、半導体製造装置部品・航空機部品・防衛装備品・EV関連部品等の新規市場に参入するパターンが非常に多いです。

「既存技術の応用」という補助金の趣旨と合致しており、採択率が高い傾向が見られます。

③ 飲食・食品製造(約15〜18%)
クラフトビール、冷凍食品、地産地消飲食店、専門料理店(焼肉・寿司等)など。製造設備投資を伴うものが特に通りやすいと見られます。

④ IT・AI・DX(約7〜10%)
AI搭載SaaS、DXプラットフォーム、業務効率化システムなど。単なるアプリ開発ではなく、既存業界の課題解決に特化したものに絞られています。

⑤ ウェルネス・健康・ペット(約8〜10%)
サウナ(独立型・複合型)、フィットネスジム、ペット関連施設・サービス(ペット同伴宿泊含む)が目立ちます。

⑥ 環境・リサイクル(約5%)
太陽光パネルの再資源化、廃棄物中間処理、廃油・廃棄物の有効活用など、社会的意義の高い事業が採択されています。

横断的に見えた採択の特徴

  • 地域性との融合が強い事業(「〇〇の地域資源を活用した」「地域初の」等の記載)が目立ちます。
  • インバウンド需要の取り込みを明示した事業が全体的に高評価を受けている傾向があります。
  • 医療・防衛・半導体など国策的な重点産業に紐付いた製造事業は、政策面の加点が得やすいと見られます。
  • 「既存事業のノウハウ・技術・設備を応用」するストーリーが一貫している事業ほど採択されています。

採択されやすい事業 ランキングTOP20

順位事業タイプ採択数(概算)ポイント
1位古民家・空き家を活用した体験型宿泊事業★★★★★地域資源+観光需要+政策合致の三拍子が揃う
2位インバウンド対応・高付加価値一棟貸しヴィラ★★★★★訪日外国人需要の明確な根拠を示しやすい
3位半導体・航空機・防衛向け精密部品製造★★★★★国策分野で政策面加点が大きい
4位サウナ事業(複合施設・宿泊付き含む)★★★★☆市場成長データが豊富で新市場性を示しやすい
5位クラフトビール製造・地域ブランド展開★★★★☆製造設備投資+地域貢献の両立が容易
6位EV・次世代自動車向け部品製造進出★★★★☆脱炭素政策との親和性が高く成長性データが豊富
7位グランピング・体験型アウトドア宿泊★★★★☆既存土地・施設の有効活用として申請しやすい
8位AI・DX搭載の業界特化型SaaS開発★★★☆☆特定業界の課題解決に絞ると採択率が上がる
9位ペット同伴対応施設・ペット専門サービス★★★☆☆市場拡大データが揃っており将来性を示しやすい
10位冷凍食品・食品加工製造(地域食材活用)★★★☆☆製造設備投資+BtoB販路が審査で好評価
11位太陽光パネル・廃棄物の再資源化事業★★★☆☆社会的公共性・環境政策との合致が強み
12位地産地消・地域食材活用型専門飲食★★★☆☆地域貢献性と観光消費の結びつきが評価される
13位フィットネス・パーソナルジム(AI活用型)★★★☆☆健康寿命延伸という政策課題に紐付けやすい
14位インバウンド向け伝統文化体験(茶・着物等)★★★☆☆訪日外国人消費拡大政策との合致が強み
15位建設業からの金属加工・製造業参入★★★☆☆既存技術の応用という新規性要件を満たしやすい
16位農業・林業の6次産業化(加工・直販)★★☆☆☆地域農業振興政策との整合が取りやすい
17位ドローン関連事業(整備・スクール・活用)★★☆☆☆先端技術活用として政策面で評価されやすい
18位医療・介護・福祉の新サービス展開★★☆☆☆高齢化社会対応として公共性の訴求が容易
19位環境配慮型建材・建設資材製造★★☆☆☆脱炭素・GX政策との合致を明示できる
20位高級日本酒・発酵食品の製造・EC展開★★☆☆☆海外展開(輸出・インバウンド)を絡めると高評価

採択されるための施策

① 「既存事業との相違点」を徹底的に明確化する

採択案件を見ると、「〇〇の技術を活かして、これまで全く取引のなかった△△業界に進出する」という構造が明確なものほど通っています。

製品の新規性と市場の新規性の両方を、既存事業との対比表として記載することが有効です。

国策・政策との紐付けを必ず盛り込む

採択一覧の事業計画名を見ると、「インバウンド」「脱炭素・カーボンニュートラル」「防衛・安全保障」「半導体」「DX」「高齢化対応」「地方創生」というキーワードを持つ事業が目立ちます。

政策面の記述に、政府の重点施策との合致を具体的に記載することが加点につながります。

地域貢献性・雇用創出を数値で示す

「この補助事業で〇名の新規雇用を創出する見込みです」「地元農家〇軒との取引が生まれます」など、地域への経済波及効果を定量的に記述することで、公共性・地域貢献性の評価が高まります。

④ 市場成長データは必ず一次情報を引用する

新市場性の証明に使う統計・調査報告は、調査会社名・発行年・URL(またはURLが掲載できない場合は報告書名)を明記します。

「市場規模は〇〇年比で年平均〇%成長と見込まれており(出所:〇〇調査報告書、〇〇年)」という形式が審査で信頼されます。
架空・曖昧な引用は絶対に避けてください。

⑤ 競合が少ない「ニッチ×成長」の組み合わせを狙う

採択件数が多い宿泊・製造分野でも、「ペット同伴宿泊×自然体験」「半導体×環境配慮型素材」など、2つの要素を掛け合わせることで差別化ポイントが生まれ、「市場の新規性」を主張しやすくなります。

⑥ 補助事業終了後の黒字化見通しをリアルに設計する

収益計画では「補助終了後3年以内に単月黒字化」という現実的な数字を設定することが重要です。

ほとんどの申請は楽観的な数字を挙げていますが、過大な売上計画は審査委員の目には信頼性低下として映ります。

実現可能性の高い、保守的で根拠のある数字が好まれます。

⑦ 認定支援機関の活用

採択リストの大部分に認定支援機関(税理士・中小企業診断士・行政書士・コンサルティング会社等)の名前が記載されています。

支援機関なし・または関与が薄い案件は採択率が下がる可能性があります。
申請前から積極的に支援してもらうことをお勧めします。

採択の流儀
補助金申請 採択の流儀 採択率85-94%の実績

▲補助金の受給可能性を無料で診断いたします。