補助金は上手に使えば投資の追い風になりますが、つまずくポイントもほぼ決まっています。
ここでは、ご相談で特に多い6つの誤解・注意点を、最初に押さえるべき順番でまとめます。

1) 補助金は“後払い”が基本?

多くの補助金は「採択されたらお金が振り込まれる」のではなく、基本は後払いです。
大まかな流れは、
採択(書面審査)→ 交付決定 → 発注・購入 → 実績報告 → 審査 → 入金
という順番になります。

この流れの怖いところは、採択されても“手元資金がないと事業を進められない”ことです。
設備、システムを導入する、広告を打つ、といった支出は先に発生します。

したがって補助金を検討する時点で、「自己資金で立て替え可能か」「つなぎ資金(融資等)が必要か」を先に検討しておくのが安全です。

2) 「採択=入金」ではない(採択後が本番)

採択はスタート地点です。
採択後も、交付申請、事業の実施、証拠書類の整理、実績報告など“やること”が続きます。

ここで多いのが、「採択されたから安心」と進めた結果、ルール違反や書類不足で入金が遅れたり、最悪の場合は補助対象から外れてしまうケースです。

補助金は“審査に通す”だけでなく、「ルール通りに実施して証明する」ところまでがセット、と理解しておくと失敗が減ります。

3) 締切ギリギリは危険
(時間がかかるのは申請書以外の必要書類)

締切直前に慌てる原因は、申請書類作成そのものより「その他の準備」に時間がかかるからです。
典型的には次のような項目が注意ポイント。

  • 見積の取得(社内稟議や業者都合で遅れる)
  • 申請要件の確認(対象者・対象事業・申請枠の選択)
  • 加点資料や添付書類の収集
  • 数字の整合性チェック(売上計画、投資額、資金繰りのつながり)
  • 電子申請の入力・添付(最後に想像以上に時間がかかる)

締切当日に“完成”を目指すと、ミスがあっても直せません。
理想は、締切の2〜3週間前に内容を固め、最終週は「見直し」と「添付の完成」に充てることです。

4) 「対象外経費」で詰む前に
(最初に潰すべき最大の落とし穴)

勘違いが多いのはここです。
採択されたとしても、経費が補助対象として認められなければ、想定していた補助金額が出ません。
よく起きるのは次のパターンです。

  • そもそも対象にならない支出(制度目的とズレている)
  • 必要な見積・契約・納品・支払いの証拠が揃わない
  • 支払い方法や名義がルールに合わない
  • 交付決定前に発注・契約してしまい対象外になる

対策は「申請する前に、対象経費のルールを確認する」ことです。
特に高額な支出ほど、対象可否・手続きの順番・必要書類を先に固めるのが鉄則です。
対象外の経費を複数入れて申請すれば不採択にも繋がります(募集要項を読んでいないと判定)

5) 「申請すれば通るわけではない」
(審査では事業の実現性が見られる)

補助金は「申請=権利」ではなく、審査に通過する必要があります。
コロナ禍期間では80%の高採択率もありましたが、今は30-50%程度と認識してください。

審査で見られやすいポイントは、ざっくり言うと以下です。

  • 何を、なぜやるのか(課題と目的が明確か)
  • 誰に、どう売るのか(市場・顧客・競合の説明)
  • 投資と成果がつながっているか(設備→生産性/売上→利益など)
  • 実現可能か(体制・スケジュール・資金繰り)
  • 数字が現実的か(希望的観測だけになっていないか)

「いい事業」でも、伝わらなければ落ちます。
逆に、強みが整理され、根拠が揃っている計画は通りやすくなります。

6) 「ウチで使える補助金ある?」への正しい答え方
(探し方の順番)

この質問はよくありますが、ほとんどの場合、返答に困ってしまいます。

「XXXXをやるためにXXXXしたい」→「この費用を対象にした補助金ある?」
と尋ねていただければ回答できます。

おすすめの考え方は次の通りです。

  1. まず「やりたいこと」を投資目的に分解する(例:設備、IT、販路開拓、店舗改装、人材育成)
  2. 次に「自社の属性」を整理する(業種、従業員規模、創業年数、所在地、直近の売上・利益、賃上げ方針など)
  3. そのうえで、補助金制度の「目的」を探す(生産性向上、販路開拓、DX、脱炭素、事業転換など)

補助金は制度ごとに「目的」が決まっているので、“制度から探す”より“自社の目的と投資内容から探す”のが筋です。

7) 補助金を使った計画が上手く立てられない

「やりたいこと」が上手く具体化できない場合もあるかと思います。

その場合は、詳細な事業内容、現状困っていること、今後の方針などをお伝えください。
補助金を活用した計画のアドバイスが可能です。

補助金は計画的に!

上記の項目を押さえるだけで、補助金は「運任せ」から「再現性のある手続き」に変わります。

補助金は計画的に活用申請すれば、年に2,3個申請可能です。
中小企業でも年間300-2,500万円程度の補助を活用している事業者もいらっしゃいます。

皆様も計画的に活用すれば低コストで事業発展に繋げることが可能です。