① IT投資の前にやるべきこと|目的を明確にする
IT投資で最も多い失敗は、「目的が曖昧なまま導入すること」 です。
- 周りが使っているから
- 補助金が使えるから
- 営業から勧められたから
この理由で導入したITは、ほぼ確実に失敗します。
中小企業のIT投資目的は、ほぼ次の3つです。
- 業務効率化(人手不足対策・残業削減)
- 売上向上(営業・マーケティング強化)
- 管理強化(数字の見える化・経営判断)
まずは「今、会社で一番困っていることは何か?」を言語化してください。
👉 ITは「課題解決の手段」であって、目的ではありません。
② 現場業務の棚卸し|IT化すべき業務を見極める
次に行うべきは、現場業務の棚卸し です。
ここを飛ばすと、「現場に合わないシステム」が出来上がります。
以下の視点で洗い出します。
- 毎日・毎週・毎月繰り返している作業は何か
- 人によってやり方が違う業務は何か
- ミス・手戻りが多い業務は何か
- 属人化している業務は何か
特に注目すべきは、「時間がかかるが、付加価値が低い業務」 です。
こうした業務こそ、IT化の効果が最も出やすい領域になります。
③ ITツール選定|「高機能」より「使い切れる」こと
IT投資でありがちな勘違いが、「高機能=良いシステム」 という考え方です。
中小企業では、
- 8割の機能は使われない
- 使われない機能が現場の混乱を招く
というケースが非常に多いです。
以下を基準に考えることをおすすめします。
- 現場が直感的に使えるか
- マニュアルを読まなくても操作できるか
- 導入後のサポートは十分か
- 将来、業務拡大に対応できるか
「100点のシステム」より「70点を確実に使い切る」
これが中小企業のIT投資成功の鉄則です。
④ 導入後が本番|効果測定と改善を回す
IT投資は、導入してからが本当のスタート です。
ところが実際には、
- 入れて満足
- 誰も効果を測っていない
- いつの間にか使われなくなる
というケースが後を絶ちません。
次のような数字を確認しましょう。
- 作業時間はどれだけ減ったか
- 残業時間はどう変わったか
- ミスや手戻りは減ったか
- 売上・受注率に変化はあったか
数字で確認することで、
- 改善すべき点
- 追加投資すべき点
- やめる判断
ができるようになります。
IT投資は「経営判断」そのもの
IT投資は、単なる「システム導入」ではありません。
- 経営課題をどう解決するか
- 人材不足をどう補うか
- 将来の成長にどう備えるか
という 経営判断そのもの です。
だからこそ、
- 目的を明確にする
- 現場を理解する
- 身の丈に合ったITを選ぶ
- 導入後も改善を続ける
この流れを守ることが重要です。
行政書士×ITコンサルの視点から
行政書士飯島事務所では、IT投資を「補助金ありき」「ツールありき」 では考えません。
- 経営課題の整理
- 財務状況を踏まえた投資判断
- 補助金活用を含めた資金計画
- 導入後の定着・改善
まで含めてサポートしています。
「IT投資で失敗したくない」
「これから本気でDXに取り組みたい」
そんな中小企業経営者の方にこそ、正しい進め方を知っていただきたいテーマです。
まとめ
IT投資は、順番さえ間違えなければ強力な武器 になります。
- 目的を明確にする
- 業務を棚卸しする
- 使い切れるITを選ぶ
- 効果測定と改善を続ける
この4ステップを意識し、自社に合ったIT投資を進めていきましょう。