なぜ建築業に「小さなDX」が必要なのか
「DXは大手ゼネコンがやること」そう思っていませんか。
しかし、人手不足と働き方改革が進む中、中小の建設・建築業者こそ、業務効率化が生き残りの鍵となります。
大規模なシステム導入は不要です。
現場の困りごとから小さく始め、90日で確実に成果を出す。
それが建築業における”小さなDX”のアプローチです。
建築業でよくある3つの課題
課題1:図面・書類の管理
紙の図面や変更指示書が現場と事務所で行き来し、最新版がわからなくなる。探すだけで時間がかかる。
課題2:現場写真の整理
毎日大量に撮影する工事写真の整理、報告書作成に時間がかかる。
どの現場のどの工程か、後から探すのが大変。
課題3:職人・協力業者との連絡
電話やFAXでのやり取りが中心で、言った言わないのトラブルが発生。
複数現場の情報共有が追いつかない。
90日で成果を出す実践ステップ
ステップ1:1つの現場で試す(1〜4週目)
全現場で一斉に始める必要はありません。
まずは1つの現場で、1つの課題解決から始めましょう。
建築業B社の事例:工事写真管理のデジタル化
従業員8名の内装工事業B社では、現場写真の整理に毎週金曜日の午後3時間を費やしていました。
そこで、工事写真管理アプリ(月額1,000円)を1現場だけで試験導入しました。
導入内容は次の通りです。
現場でスマホ撮影時に工程を選択するだけで自動分類され、黒板アプリと連携して日付や工事名が自動入力されます。
撮影後すぐにクラウドにアップロードされ、事務所でリアルタイム確認が可能になりました。
ステップ2:効果を数字で確認(5〜8週目)
4週間使用した結果を測定します。
B社の成果
- 写真整理時間:週3時間 → 30分(月10時間削減)
- 報告書作成:2時間 → 30分(月6時間削減)
- 合計月16時間の削減=約3.2万円の効果
- 投資額:月1,000円+スマホは既存のものを活用
この結果を社内で共有し、他の現場監督からも「使いたい」という声が上がりました。
ステップ3:全現場に展開(9〜12週目)
成功事例をもとに、他の現場にも展開します。
ポイントは、最初に使った現場監督が他のメンバーに教える体制を作ることです。
外部講師は不要で、実際の使用感を共有できます。
90日後、B社では全4現場で月64時間(年間768時間)の削減を実現し、その時間を現場管理や営業活動に充てられるようになりました。
建築業で効果が出やすい”小さなDX”事例
図面・書類管理のクラウド化
ツール例: Google DriveやDropboxなど(無料〜月2,000円)
効果: 最新図面の即時共有、探す時間の削減、外出先からも確認可能
工程管理のデジタル化
ツール例: 建築業向け工程管理アプリ(月500円〜)
効果: 工程の見える化、遅延の早期発見、職人への指示がスムーズに
チャットツールでの情報共有
ツール例: LINE WORKS、Chatwork(無料〜月500円/人)
効果: 電話の回数削減、履歴が残るので言った言わないがなくなる、写真や図面の共有が簡単
勤怠・日報のスマホ入力
ツール例: 建設業向け勤怠管理アプリ(月300円/人〜)
効果: 現場から直接入力、事務作業の削減、労働時間の適正管理
成功のための3つのポイント
1. 現場の声を最優先する
事務所や経営者の都合ではなく、実際に作業する現場監督や職人の困りごとから始めることが重要です。
2. 操作は簡単に
ITが苦手な職人でも使えるシンプルなツールを選びましょう。
スマホで写真を撮るだけ、選択肢をタップするだけ、というレベルが理想です。
3. 段階的に進める
全現場・全業務を一度に変えようとすると失敗します。
1現場、1業務から始め、成功体験を積み重ねていきましょう。
IT導入補助金の活用
建築業のDX推進には、IT導入補助金などの支援制度が活用できます。
ソフトウェア購入費やクラウド利用料の一部が補助される可能性があります。
補助金申請には事業計画書の作成が必要ですが、専門家(行政書士など)のサポートを受けることで、申請の手間を減らし、採択率を高めることができます。
今日から始める第一歩
DXは難しいものではありません。今日から始められることがあります。
- 現場で一番時間がかかっている作業を1つ挙げる
- その作業をスマホやタブレットで効率化できないか考える
- 無料で使えるツールを検索して、1週間試してみる
完璧な計画は不要です。小さく始めて、使いながら改善していく。それが建築業における”小さなDX”の成功法則です。
お困りごとがあれば専門家にご相談を
DX推進や補助金活用について、具体的なサポートが必要な場合は、当事務所までお気軽にご相談ください。
貴社の状況に合わせた最適なアプローチをご提案いたします。